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2024年03月28日

(株)クロスエフェクト 代表取締役 竹田氏

(株)クロスエフェクトは、2001年設立 、社歴23年のものづくり企業である。
竹田社長とは、京都試作ネットを通じて、20年来の親交がある。
京都の町工場では、HILLTOP(株)さんと並んで、先進的な企業である。
先日3月15日、4年ぶりに工場見学を兼ねて、工場を訪問させて頂いた。


●創業の経緯
竹田社長の実家は、成形屋だった。
父の経営を見ていた竹田社長は、自分は親とは一緒に仕事が出来ない、と
親とも、話したうえで、大学卒業後、米国に遊学。
その後、日本に戻り、3Dの活用を中心とした(株)クロスエフェクトを設立した。
創業時は、3次、4次下請け企業の2次元図面の3D化の事業だ。
「当時は、それでも、そこそこお金を払っていただける企業がありました」と竹田社長は当時を振り返る。

(株)クロスエフェクトが順調に事業を伸ばす中、父が急逝。
父の事業の閉鎖を継ぐこととなる。
父の会社は、80人規模の成形屋であったが、1社依存のため収益性が低く、
竹田社長は、すぐに事業閉鎖を決断。
竹田社長が小さいころから、知っている古参の社員の前で、閉鎖を告げた。
その際には、主力のメガバンクの貸し剥しにもあったが、その際に助けてくれたのが、現在の京都信用金庫だったという(株)クロスエフェクトの主力銀行である。

その後、高速試作サービスを掲げ、事業を拡大していった。父から育ててもらった反面、父の経営と正反対の経営手法を学んでいく。
竹田社長に大きな影響を与えたのは、京都試作ネットを通じたピーター・ドラッカーの勉強会だ。
竹田社長は父から「建物に金を掛けるな、設備に金を掛けろ」と言われ育ってきた。
しかし、京都試作ネットの恩師、HILLTOP(株)の山本相談役からは「建物に金を掛けろ、設備は、ただのプリンターにすぎん」との教えを受けた。

クロスメディカル様外観.JPG

竹田社長は2015年に本社を建て替えた。
「設立前は、毎月70万円を支払って、貸し家を借りていたわけですが、新しい社屋は、150万円支払っていけば、借金も返せる。
やるなら今しかない、と考えました。その後、固定資産税だの、それだけでは済まない、と分かりましたが」と竹田社長は語る。
山本相談役の教えを実行した(株)クロスエフェクトのもとには、山本相談役の言った通り、優秀な社員が続々と集まるようになった。


●医療事業(クロスメディカル)への展開
(株)クロスエフェクトの主サービスは、短納期試作である。
現在も、「早さへの挑戦 ~FASTEST~」を掲げる。
そこでは、期待を超える速さで新製品の社会実装を実現する、との掛け声をもとに様々な製品メーカーの設計に関わる実装デザインを提供している。

▶クロスエフェクト様の実績はこちら

そんな(株)クロスエフェクトに国立循環器病研究センターの先生から、赤ちゃんの心臓モデルを最速で作って欲しい、との依頼が舞い込む。
最初に話が来た時には、CTデータの画像があまりにも粗いために断ったが、
数年後、同じ話が来た時には、これは挑戦する価値のある事業だと再考し、医療事業をスタートした。
医療事業の始まりについて、「第5回ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞を受賞し、国のお墨付きを受け、あとは、薬事に関する許認可を取るだけだ・・と自動車免許でも取るつもりで始めました。そこからが医療機器販売に向けた苦しい戦いが始まった訳です。」と竹田社長は語る。
(株)クロスエフェクトの模擬心臓を利用した医療手術という画期的なアイディアだが、世界のどこを探しても前例がない事業である。
日本でこの医療機器の薬事承認を勝ち取るためには、まず術前シミュレーターという新カテゴリーを医療業界に認知し、医療適合するところから始まった。
2023年クラスⅡでの薬事承認、2024年夏ごろに保険適応予定だ。
まだまだ、事業としては途中半ばであるが、国の助成などもあり、ようやく大きな前進を遂げている。

クロスメディカル様製品.JPG

●デザイン事業(クロスデザイン)への展開
最速試作事業をやっている中で、デザインから受託する事業が多くなってきた。
「デザインで、もっとお客様の役に立ちたい」という気持ちから、
(株)クロスエフェクトでは、3D人財だけでなく、デザイン人財を多く、採用してきた。
竹田社長が、目を付けたのは、意匠権である。
従来は、デザイン設計を請負い、納品は、図面を納める。
しかし、共同作業で、意匠を検証し、量産図面に展開するお客様に対しては、
デザイン設計に対しての意匠権譲渡を本格的に開始した。
「従来のお客様に関しては、正直、離れていくお客様もあります。
しかし、デザインから量産図面を担う、一番大変な労働をしている価値を認めてもらうことは、弊社の今後の成長になくてはならない、と事業化を開始しました」。

日本の多くの金型屋では、これと同じ問題を抱え、技術を持ちながらも廃業・倒産に追い込まれた企業が多数ある。
竹田社長のデザイン事業での取組は、これに真っ向から挑み、製品メーカーとパートナーシップを結びながら、
実益をしっかり頂いていく試みだと感じた。

●クロスエフェクトの今後
~DX(AI)が進み、知的労働がなくなる~
クロスエフェクトクロスメディカルクロスデザインと3社を軸に活動範囲を広げる竹田社長。
会社を分けている理由の一つは、お客様が違うからです。
お医者様に営業に行く際は、礼儀正しいスーツを着て、時間通りに行かないと、先生に叱られます。
一方、デザイナーの世界は、短パンTシャツ無精ひげ当たり前の世界で、スーツで訪問しようもんなら、「どうした、結婚式の帰りか~」などと言われてしまいます。
なので、お客様によって、事業をしっかり分けて、対応しているのが現実です。

「弊社では、今、AI活用の中で、今後、どこのポイントで生きていくのかを実証実験を始めています。
従来は、IoT、DX、AIが進むと単純労働が無くなると言われてきました。
しかし、AIの出現で、なくなるのは知的労働で、実労働作業は、増えるのではないかと考えます」と竹田社長は語る。
例えば、デザイナーの仕事は、人間が120時間掛けてデザインしたものを、45秒で描くのがAIの力である。
弁護士AIに秘密保持契約書を読み込ませると、同じく45秒で、自社にとって有利、不利な契約内容を、いく通りの案を出してくる。
「AIを実装していくと、弊社でもデザインの仕事は、最速で出来るようになりますが、まだまだ実際に作れるようなデザインではないことが、多いです。しかし、数年で追いつくようになるでしょうね」
クロスエフェクトでは、すでに多くの社員がAIを利用しながら仕事をしているという。
さらに「Monozukuri Ventures」なる約40億円 規模のファンドも、京都試作ネットのメンバー及び、京都地銀各社が出資して立ち上がった。
今後のクロスグループはどこへ行くのか?
3D図面というVirtualから、事業をスタートした(株)クロスエフェクト竹田社長。
Virtualをどう操っていくのか?人間が操られるのか?
ものづくりの世界もSF検証をしなければならない時代に突入した。

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2023年11月10日

エミダスマガジン53号:プラスチック成形特集

エミダスマガジン、53号「プラスチック成形特集」が上梓した。

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編集部のみなさん、ご苦労様でした。

プラスチックの業界は、材料メーカー、工作機器メーカー、加工部品メーカーとあって、
本来は、材料メーカーの企業さんにも、いろいろとお話を聞きたかった。
今回は、工作機械メーカー各社(ファナック(株)さん、日精樹脂工業(株)さん、芝浦機械(株)さん、(株)ソディックさん、東洋機械金属(株)さん)にお話を頂いた。
各社のお話を聞くと2023年は一段落という声もあるが、芝浦機械(株)さんのように1300億→1800億予想、という強い声もあった。

成形屋さんの方であるが、国内で頑張っている会社さんと海外を中心に仕事を増やしている企業は少なくない。
(株)ユウワさん、hakkai(株)さん、大和合成(株)さんは、海外を中心に顧客を広げている。
ナルックス(株)さん、(株)関東製作所さん、(株)ヤマデンさん、熊野精工(株)さんは、国内生産であるが、確実に売上を伸ばしている。
経営のスタイルは各社まちまちである。

2009年リーマン、2011年震災、2020年のコロナ。
先行き不明な自動車産業、凹凸が激しい半導体。
製造業においても、かつてのような安定生産経営はありえなくなってきている。

常にアンテナを伸ばし、一業種だけでなく、医療、農業、ロボット、宇宙、建築、エネルギーなど様々な分野から幅広く受注をしていくことが、部品産業の成長の道だ。
環境対応、再生問題などもクリアしながら、プラスチックの力で日本製造業を盛り上げて頂きたい。
hakkai(株)の関社長曰く「士農工商プレス屋、プラ屋」であるが、世の中を底辺から下支えする重要な産業であることは間違いない。

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2023年10月02日

微細加工工業会コンテスト(Expert Bisai Creators Contest 2023)開始!

微細加工工業会の微細コンテストが始まった。
精密さを競うこのコンテスト、現物を見ても、小さすぎて、
なんだか、わからない。

ということで、こちら写真をご覧いただき、
ぜひ、投票を頂ければと思います。

bisai.jpg

▸▸▸こちらから投票する◂◂◂

これは、と思える作品には、ぜひ、コメントも下さい。

微細加工工業会にご興味がある方は、こちらからご覧ください。
 
弊社、NCネットワークで事務局を務めさせていただいています。

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2023年02月10日

金属プレス技術は日本が誇る重要な基幹産業!

僕が8歳頃まで住んでいた実家は、プレス工場だった。

(株)内原製作所は、昭和20年浅草にて創業、昭和42年葛飾区に移動、昭和51年埼玉県に工場を構えた。
僕は、毎日、小学校から工場の中の一室に帰っていった。工場の中は、秘密基地のように様々な道具やプレス機が並び、子供だった僕にとっては、宝物庫のようであった。下町には、そんな町工場がたくさんあった。

時代とともに、下町の多くのプレス屋は、地方へと移動していった。その後、平成を迎え、日本での金属プレス産業は、衰退の一途を辿る。中国、東南アジアへの生産移管だ。

地元葛飾区を見ると、この流れは、当初、おもちゃ業界(塗装に多くの人手がいるため)から始まり、その後、家電、電子部品とあらゆる業界に広まっていく。日本での生産を止め、中国、東南アジアを中心とした製造移管の時代となった。

金属プレスに必要な金型製造技術も、平成の時代に大きな工法変換点を迎える。コンピューターによる設計である。金型製造において、CAD/CAMツールの登場は、画期的に生産性を向上させた。

従来、金型設計・製造は、職人技術の粋であった。手書き図面の時代は、1000万円クラスの金型で、設計時間は、有に3ヵ月を要した。製作は1年がかりである。今は、設計3日、製作1ヵ月だ。価格は、 200~300万。
CAD/CAMを利用することで、職人技術が、数値化され、データベースを利用して、誰もが簡単に真似できるシステムが構築されたことにより、金型製作技術自体が、高度な設計技術ではなくなったと言える。

文系の僕が、難しい金型製作に携われたのは、CAD/CAMとミスミのガイドブックのおかげである。
そして、一般的な金型製造技術に関しては、台湾、韓国、中国のプレス金型技術が、20年ほどで日本に追いつくことが出来るようになったのである。

しかしながら、金属プレス技術は、日本が誇る重要な基幹産業である。
携帯電話、パソコン、ゲーム機器などのようなハイテク機器や、自動車、暖冷房設備、冷蔵庫、TV、 医療機器、農業機器、電子部品など、ありとあらゆる分野の製品の中身には、金属プレス部品が使われている。

次回、「エミダスマガジン」は、金属プレス産業に切り込んでいく。
そして、加工分類、生産設備分類項目の整理整頓を行う予定だ。

金属プレス産業の実態をぜひ、知って頂ければ幸いである。

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2022年04月14日

宇宙ビジネスの可能性

宇宙に行くには、NASAに行くしかなかった時代から、誰もが宇宙に行く体験が
できる時代が間近となりました。
宇宙ベンチャーは、まさにこれから成長期に入っていきます
宇宙ベンチャーは、大きく分けると下記の3つにのカテゴリーに分かれます。

1,打上ロケット(ロケット打上or宇宙体験旅行)
2,衛星ビジネス
3,外宇宙ビジネス(月、小惑星etc)

2021年は、民間宇宙ビジネスの元年となりました。
1,の民間のロケット打上企業3社が民間人を乗せて、打上げを成功させたのです。
SPACE-X(テスラ創業者イーロン・マスク)、BLUE ORIGIN(Amazon創業者ジェフ・ベゾス)、VirginGalactic(Virgin創業者リチャード・ブランソン)の3社が有人宇宙飛行を達成しました。
日本では、堀江貴文さんがファウンダーのインターステラー、名古屋の緒川修治さんのPDエアロスペースが、民間ロケットビジネスに挑戦しています。ウクライナでの事件から、ソ連の打上げロケットが利用できなくなったため、打上げロケットビジネスへの期待は加速する、と堀江貴史さんは語っています。

2,衛星ビジネスは、何百社(千?)が参入してますが、昨年、アストロスケール社が300億円の調達に成功したのは記憶に新しい所です。スペースデブリという世界全体の問題を解消するという、視点は、世界的に見ても必要不可欠でありながら、今までなかった視点です。
3,は、前回、エミダスマガジンでも特集したI-SPACEも100億円の調達を行い、
次のステージに向かっています。
月面資源だけでなく、小惑星や、彗星に注目するベンチャーも出てきています。

(株)キャステムの戸田社長が携わる「インターステラテクノロジズ」 は、小型ロケット打上及び、北海道大樹町での打上空港ビジネスを主としていますが、
今後、数年で大きな成長が見込まれています。
それも、ウクライナ、ロシアのロケットが利用できなくなり、日本での民間ロケットの打ち上げに大きな期待が掛かっているのです。

ロケットを打ち上げるには、多くの部品を軽量化かつ、耐熱、耐寒素材で、安全が求められます。
まさに、中小製造業の少量生産かつ、微細な部品が多く必要とされています。

毎月、数十機のロケットが打ち上げられる日が、近づいています。

日本では、JAXAが年間3,000億の予算を持つ中で、三菱重工、IHI、NECなど一部大手が、メーカーとして主要部品を作ってきたましが、上記のような環境から、中小企業が基幹部品の製造を担う可能性も多くなってきています。

5月20日(金)開催予定の「エミダスだよ!全員集合!!半年遅れの賀詞交歓会」では、宇宙関連部品に多く携わってきた「由紀ホールディングス(株)」 大坪社長、ベンチャー企業を数十社輩出している「(株)浜野製作所」 浜野社長、そして、「(株)キャステム」 戸田社長に、宇宙ビジネスの可能性について語っていただきます。
是非、ご参加ください。
参加お申込みはこちらから。

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2022年02月07日

エミダスDB(データベース)マガジン

いよいよ「エミダスDB(データベース)マガジン」の
発刊に向けての準備も佳境に入った。
10年ほど前から、こんな冊子が欲しいと考えていた。
マガジン2.png
※画像は、VOL.1 2021年6月と記載がありますが発刊時期の変更により
2022年3月にVOL.1の発刊を予定しております

お客様から、
「8mくらいの長さの丸棒を削ってくれる工場、ある?」
「北陸で6mx3mクラスの大型MC(マシニング)の会社教えて」
「3mの横穴をプレートに加工したいけど、ガンドリル持ってる会社、
 九州にある?」
というような、相談を毎日のように受ける。
その時、活躍するのが「エミダス工場検索エンジン」であるが、
知っている工場を思い出すだけなら、インターネットよりも、冊子の方が早い。
もともと僕は、時刻表マニアである。
電車の検索であれば、みなさんご存じのとおり、インターネットで探すよりも
僕が時刻表で探す方が、早い。
鉄道ファンは、XXXX線が、何ページあたりに掲載されているか、暗記している。
そんなことで、こんな冊子が、ずっと欲しかった。
いよいよ待望の発刊となる。

マガジン.png

この冊子は、工場の技術を必要としている多くのユーザーに(有償で)
配布していく。
メーカー、町工場、ものづくりベンチャー、研究者、購買、学生、理系のゼミ、
工業高校、高専など。
多くの人にお届けすることでものづくり業界に貢献していく。

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2016年05月24日

ものづくりなでしこ

なでしこJAPANが世界を席巻したのは、もう数年前だ。
ちょうどその頃、経済産業省素形材室にいらっしゃった伊奈友子さんの発案で、
ものづくりなでしこがスタートした。

2012年である。
その時は、伊奈さんとたまたま食事をする機会があり、伊奈さんの旦那様
(前田素形材室長)と食事をしながら「女性の活躍に関して」話した。
そして、女性の経営者の横の交流会をやろう、ということになった。

僕は旧知の伊藤麻美さんや、海内美和さん、小松万紀子さんなどにお声掛けをし、
経済産業省に招かれて、交流をしたのがスタートだ。

それから、4年。
正規団体ではなく、なんとなく集まっていた、僕ら、男性経営者も酒のつまみに
呼んでいただいたりしたが、ここで、本格的に女性経営者の横の連携を
しっかりとやろう、ということになり、「ものづくりなでしこ」が発足した。

せっかく女性が集まるのだから、女性として最も活躍されている女性の代表として、
ANA(全日本空輸㈱)の河本専務をお招きし、講演をいただいた。

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そして、富士電子工業(株)渡邊弘子代表幹事の挨拶。
子供を育てながら、仕事をすることのご苦労を自らの体験を生に語っていただいた。

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安倍首相にも応援に来て頂いた。

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安倍首相の新第三の矢には、女性の活躍がある。

〇首相官邸URL
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201605/17monozukuri.html

安倍首相の唱えるGDP600兆円の主役は我々、製造業だ。
あらためて、そう思えた。

製造業界の懇親会は男性だらけであるが、
あらためて、女性の数が多い懇親会で、とても楽しかった。

今後の製造業界で、女性の活躍に注目である。

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2015年11月10日

ものづくり日本大賞

ものづくり日本大賞の授賞式が首相官邸で行われた。

○授賞式風景

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中小企業としては、
・ 興研㈱
・ ナカシマプロペラ㈱
の2社が受賞された。

中小企業の2社の紹介をさせていただく。

・ 興研㈱
以前、blogで紹介したが、もともとは、ガスマスク等のメーカーである。
ガスマスクのフィルターの技術を応用して出来たのが、クラス1の
スーパークリーンルームだ。

この技術は、日本製造業の超精密技術をさらに進化させてくれるはずだ。
素晴らしい技術である。

この技術に至るまでの過程には相当な苦労があったとのこと。
当たり前の話だが、試行錯誤に次ぐ、試行錯誤。
10数年の歳月を経て、今の形になってきた。

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・ ナカシマプロペラ㈱
世界の船舶プロペラの7割のシェアを占めていることで有名なオンリーワン企業。

今回、受賞したのは、FRPプラスチック製のプロペラである。
従来の銅合金のプロペラに比べて、重量が1/5。
メンテナンス性にも優れている。

今後、世界需要の中で、確実に利用されていく技術だ。

関係者のみなさま、ご苦労様でした。

○祝賀会風景

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16:59 | コメント (0) | トラックバック

2014年04月25日

元サムスン電子 常務取締役 吉川先生の講演

元サムスン電子 常務取締役 吉川先生の講演を聞いた。

吉川先生の経歴は、日立製作所→JFE→サムスン→東京大学院大学(現)。
サムスン電子には、1994~2004年まで、約10年勤められた。

日立製作所時代、1987年からサムスン李健熙会長との交友があり、
何度か誘われ、断っていたが、1994年に了解し、サムスンの常務に就任した。

韓国常駐開始後、サムスンの成長を見てきた吉川先生だが、
サムスンの成長の一番の秘密は、李健熙会長の
「危機意識経営」と唱える。

毎年の年頭挨拶で、李会長は
「10年後、サムスンはないかもしれない」と語るそうだ。
サムスンがなくならないためには、社員の行動力を促すわけだ。


サムスンでは、課長職になる際に1ヶ月の海外旅行を命ぜられる。
ナップザックを背負って、海外に放り出されるそうだ。
必要最低限のお金だけを持って、ホテル等に泊まることは許されない。

これは真のグローバル人財を育てるための仕組みだという。

<グローバル人財>
 ・どこでも寝れる
 ・なんでも食べられる
 ・誰とでも話せる

上記を実施するために、現地で現地の人と現地化することを命ぜられる。
ちなみに、英語がまったく通じない国に行くそうだ。
身体一つで、世界中の人々と交流が出来るようになるための試みだという。

こういったことを実施しているからこそ、下記のような商品が生まれた。

1.イスラム人メッカフォン
2.東南アジア向け 殺虫剤付エアコン
3.イタリア向け  ワイングラスを意識した液晶TV
ワイングラス.jpg
4.インド向け 鍵付冷蔵庫
冷蔵庫.jpg

※関連記事はこちら


さらに、日本がサムスンに負けた理由は、
サムスンやLGが、日本の模倣を止めて、
地域に根差した商品を開発し続けるスピードだという。

たとえば、液晶TV。
世界で1500種類以上のアイテムを出しているのがサムスンだ。
日本のメーカーは、せいぜい数十機種が精いっぱいだ。


一方、日本のメーカーが生き残るための方策も
お話しいただいた。

親企業追随型 → コバンザメ戦略(親のいるところに無条件に着いていく)
親を求めて3000里戦略 → 親企業を海外に求める
小山の大将戦略 → 自身がメーカーとなる

そして、グローバルに適応したマーケティングをし、
グローバルに適応した人財を育成 マネージャーでなく
リーダーの育成をすることが重要だと仰っていただいた。
R&Dを中心にしたマザー工場は日本に残し、比較優位に徹する。

それ以外にも、たくさんのヒントを頂いた。

すこし、吉川先生の本を読んでみようと思う。

吉川先生の本についてはこちら


サムスン、やはりすごい会社にはすごい理念があるのだ、と
あらためて思った次第である。
アップルは尊敬するが、サムスンは、、という人が多い(僕もそうだったが・・・)
しかし、すごい会社は何かがあるに違いないという目で
尊敬をしないといかんなぁ、と思った。

ではでは・・・

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2013年11月19日

航空機業界の動向

旭金属様工場外観_R.jpg
<旭金属工業様 工場外観>


先週、旭金属工業(株) 、山中社長のお話を聴いた。

旭金属工業様は、京都の醤油屋が原点である。
昭和23年、戦後復興の時、鍍金業を通じて日本再建を果たしたいと考えた前創業者が
装飾鍍金を中心に創業を開始した。
現在、売上の中心は航空機に移っている。


航空機産業は、エアバス、ボーイングの2社が大型機の製造。
ボンバルディア(カナダ)、エンブライル(ブラジル)の2社が中型機を製造し、

上記、4社でほぼ95%以上のシェアを握っている。

航空機産業の世界全体の需要は、50兆円あるが、
そのうち日本での生産量は、3兆円である。

日本では、上記の組立メーカーからの受注生産がほとんどだ。
日本を代表する三菱重工、富士重工、川崎重工は、現在のところT1メーカーである

●参考URL
http://www.mrj-supporter.com/maker/

航空機産業は、今後10年で2倍の産業になるとのことだが、
山中社長によれば、それは世界の話であって、日本はむしろ縮小傾向だという。

その理由は、中国、東南アジアの部品メーカー参入によるローコスト化が
進んだからだ。
旭金属工業様も、そういった理由から2014年には、マレーシア、アメリカに工場を
設立する。


航空機業界に参入するには、ISO9100の認証、さらにNADCAPの認証が必要だが、
それを取得したとしても価格が問題なのだ。
2009年のリーマンショック以降、航空機部品も価格競争にさらされている。

航空機といえば、アルミの総削り出しの部品を多く使うが、削りだしのコストは、
決して儲かるようなものではないのだ。

その理由は、たとえば、ボーイング社が部品調達を行う場合のコスト算出は、
常に世界中からの調達によることから、世界標準コストが算出されている。
日本は人件費が高いことから、アメリカと較べても部品が高いくらいなのだ。

「削りだけでは付加価値はでない。
 弊社は、鍍金の技術を含めて、組立まで行うことで、航空機業界の需要に応える」
と山中社長は語る。


「航空機業界に参入するには、最新の設備を常に導入しつつ、
 絶対に品質不良を出さない自信が必要だ」
とも仰っていた。

旭金属工業様では、この100年間に約100億近い投資を行ってきた。

今後も、大手と歩調を合わせ、航空機業界で活躍していく旭金属工業様の
動向に注目したい。


IMG_3120_R.JPG
<工場見学の様子>

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<会社説明の様子>

18:07 | コメント (0) | トラックバック

2013年11月12日

日本製造業の景気動向

アベノミクス第三の矢がうまく作用したのか、
景気がよくなってきている。
エミダスユーザーアンケートの結果でも、
好況とお応え頂いた企業が多くなってきた。

エミダスユーザーアンケート
http://www.nc-net.or.jp/enq/pro/201309/graph/


ここで日本製造業界の現状を少し考えてみたい。

確かにここ20年の実質GDPは下記のとおりである。

chart.png
出典元:http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDP&c1=JP&s=&e=


失われた20年というが、この20年で日本は何を失ったのか?
僕が思うに一番大切な「挑戦する魂」を
失ったのではないか、と思う。


●自動車業界
●弱電・家電業界

日本のものづくりを支えてきた二つの大きな業界である。

これ以外の業界は、
建設・建築、航空機、医療、・・・
様々なものづくりの仕事が、日本にはあるが、
上記の二つの業界ほどのインパクトはない。


自動車メーカーの売上変遷は、
 トヨタ   14兆 → 22兆(1.3兆)
 ホンダ    6兆 →  9兆(5400億)
 日産     6兆 →  9兆(5200億)

一方、弱電、家電メーカー
 松下(松下+松下電工+サンヨー)
        7兆 →  7兆(1600億)
 ソニー   7.5兆 → 6.8兆(2300億)
 シャープ  1.8兆 →  2兆(-1000億)
 東芝    5.3兆 → 5.8兆(1900億)
 日立    7.9兆 →  9兆(4200億)
 三菱電機  3.6兆 → 3.5兆(1500億)
 富士通    5兆 →  4兆(950億)
 NEC    5兆 →  3兆(1100億)

さらに海外のメーカーに関しては下記のとおりだ。
 アップル   5000億 →  15兆
 デル      2兆 →   5兆
 IBM    1.6兆 → 8500億
 サムスン   8.8兆 →  18兆
 LG      22兆 →  50兆
 ホンハイ   1.3兆 → 12.2兆


これを見て分かる通り、日本製造業の敗退の一番の原因は、
弱電・家電業界の敗退が要因である。

1980年出版のジャックウェルチの著書には、
OA、TV、家電、コンピュータなどの製品は、
21世紀、日本企業に席巻されるだろう、との予測が書かれていた。

実際の所は、日本の弱電・家電企業は敗退し、
米国企業の復権、韓国、中国勢が勢いを伸ばしたというのが実態だ。


なぜ、日本の弱電・家電企業が敗退したか?

理由は二つある。
1.営業のアウトソース
2.ものづくり力の低下

1.営業のアウトソース
僕は専門外なので語るべきではないが、
大型家電店にコストを支配されたことが、
一番の要因ではないだろうか?
自動車は、自分たちでコストを決定できる直販店および、
専門店が販売の中心だ。
欧米の家電・弱電は、販売に関して、ここにいかなければ買えない、
という店を中心に販売をしていった。
それに比べ、日本の家電製品は、どこでも売っている。
さらに発売後、半年もすれば、強烈な値引き合戦である。
儲かるわけがない。

2.ものづくり力の低下
弱電・家電メーカーがものづくりを捨てたのはいつの頃だろうか?
アップル、デル、IBMといったメーカーが、
台湾メーカーに生産委託をするのを真似するようになってからだと思う。
アップル、デル、IBMは、安い値段で買う代わりに数を保証したのだ。
一方、日本の家電メーカーは馬鹿の一つ覚えのように、
安いところから購入するようになった。

本来、ものを安くするためには、
ものづくりがわかっているメーカー自身で設計し、
削るべく所は削り、簡単でコンパクトにしていくことが必要である。
設計で、簡素化、一体化、部品統合、生産性効率化などを行いながら
安く作る方法を考えるのがメーカーの役割だ。

安いところから、安いものを購入する。
メーカーは、自分から、安物買いの銭失いをしたのである。

これからは、メーカーと部品メーカーが一致協力して、
売れる製品を作るための挑戦をしていくしかない。

日本が生き残る唯一の方法である。


おっ、なんか、久しぶりにまじめなBLOGだ・・・(笑)


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2013年09月17日

日本ものづくり大賞

 
 
先日、日本ものづくり大賞の審査員をさせて頂いた。
「日本」ということで、参加各社の意気込みは相当なものであろう。
約500社弱のなかから、多くの会社が賞を取った。
 
エミダス・プロ会員の(株)クロスエフェクト様 (竹田社長)が、総理大臣賞を獲得した。
竹田社長は、京都試作ネットの代表としても有名だ。
先日、京都で同じく試作ネットのメンバーである
(株)最上インクス 鈴木社長と飯を食った。
その際に、この模擬心臓の苦労話をいろいろ聞いた。
 
心臓_R.jpg
<模擬心臓>
 
「クロスエフェクト」様が総理大臣賞をいただいたのは、模擬心臓である。
心臓手術には、スピードが求められる。
2時間以内に終了させなければいけないそうだ。
 
今までの手術は開胸してから、心臓の血管
(大きな血管が3本ある・・・詳しくは医龍を読むとよくわかる)
を調べて、患部を慎重に施術していく。
一本、血管でも傷つけようものなら手術はすぐに終了となる。
 
「クロスエフェクト」の技術は、開胸する前に3Dスキャンデータから、
本物の心臓の触感を持った模擬心臓を作り出し、
手術前に血管の配置を含めた心臓の形を作り出すものだ。
 
実際の手術の際は、胸の横にこの模擬心臓を置きながら、
血管の位置を確認しながら手術が出来る。
医者の言葉を借りると「テスト前に答案用紙をもらって手術ができる」そうだ。
まさに心臓手術にとって革命的な技術なのだ。
 
さらに子供の心臓に関しては、手術の成功確率が格段にUPする。
子供の心臓は、大人と違って、小さくてピンク色で見分けるのにだいぶ苦労する。
模擬心臓であらかじめ、血管の位置がわかっていれば、
開胸してから、血管の配置を確かめる必要がないので、
手術のスピードアップに繋がるのだ。
 
ものづくり大賞でも、子供の命を救うことが出来る画期的な技術、ということで
評価された。
 
3Dプリンターが隆盛を始める時代なので、
僕は、真似されるのではないか、と心配になり、
竹田社長に「この技術って、簡単に真似されないの?」と聞いてみた。
竹田社長曰く
「スキャンデータから中子を作るところにいろんなノウハウがあるので大丈夫」
とのことだった。
 
この技術を世界に広め、世界中の心臓疾患患者を救ってほしい。

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2013年07月13日

ものづくりなでしこJAPAN

「ものづくりなでしこJAPAN」パネルディスカッションin Thermo Tech
ものづくりなでしこJAPANは、経済産業省の伊奈友子さんが、
製造業の女性経営者の横のネットワークを繋ごうと発足した会である。

<メンバー(50音順)>
海内 美和 様   海内工業株式会社 【精密板金】
伊藤 麻美 様   日本電鍍工業株式会社  代表取締役【メッキ】
大田 久美子 様  株式会社大田鋳造所 【鋳造】
小松 万希子 様  小松ばね工業株式会社  取締役社長【ばね】
島田 佐代 様   株式会社トミナガ 【鋳造】
高橋 正実 様   マサミデザイン 【デザイナー】
辰巳 施智子 様  辰巳工業株式会社  代表取締役【鋳造】
松浦 幸枝 様   株式会社エノモト 【鋳造】
手塚 加津子 様  昭和電気鋳鋼株式会社  代表取締役社長【鋳造】
檜垣 昌子 様   山陽プレス工業株式会社  代表取締役社長【金属プレス】
渡邊 弘子 様   富士電子工業株式会社  代表取締役社長【熱処理】
吉澤 和江 様   株式会社太陽堂封筒  代表取締役社長【印刷】

 
伊奈さんは、経済産業省の中で製造業界との関わりが深い方だ。
行政の中でものづくりの業界にずっと携わってきた。
業界団体(鍛造、鋳造、プレス、熱処理、金型等)からの信頼はものすごく厚い。
伊奈さんが中心となり、日本製造業再興戦略について、
女性社長によるパネルディスカッションが行われた。
アベノミクスでは、第3の成長戦略の中で日本人全員参加による
総力戦を唱えられてる。
女性、子供も含めて、日本人が未来を作っていくという考え方だ。
特に「女性が世界で活躍できる場をつくる」ということが
アベノミクスの戦略の中にある。
日本は技術力で世界一にならなければいかん。
2位ではダメだ。
それを作っていくのは、民間の仕事である。

小松ばね工業(株)の小松万希子社長がトップバッターである。
小松ばね工業は、創業62年の企業だ。
東京都大田区、宮城県、秋田県、インドネシアにそれぞれ工場がある。
精密バネに特化し、試作一個~量産までを製作する。
バネに花を添えて説明する。女性ならではの視点だ~、素晴らしい。

 
2番手は、日本電鍍工業(株)の伊藤麻美社長。
伊藤社長は、元DJである。
10億の借金を引き継ぎ、一業界(時計)依存体質からの脱出を図り、
現在では、時計業界のシェアは2割まで引き下げた。
女性ならではの優しさが、社員を変え、自ら現場に入って会社を変革させてきた。
他社では出来ない鍍金、厚付け鍍金が得意である。
3番手は、辰巳工業(株)の辰巳施智子社長。
短納期、高品質を売りとする鋳造メーカーだ。
特にステンレス鋳工が中心だが、特殊材もハステロイ、チタン、100鋼種以上の
材質を受注している。
炉の鋼種をHPで公表し、お客様のニーズに応えている。
現場の仕事を覚えるために現場で注炉作業も含めて経験した。
最後は、富士電子工業株式会社、渡邊弘子社長だ。
高周波焼入装置メーカーであり、部品の受注も行っている。
特許 98件、意匠登録 51件。
誘導加熱 Induction Heating に関してのプロフェッショナルであり、
小さいが世界NO.1の会社を目指している。

そして、パネルディスカッションが始まった。
今回、登壇した社長は全員文系である。
最初の問いは、女性経営者として技術をどう学んできたか?という話だ。
伊藤社長「現場に入って、酸とアルカリを間違えて現場立入禁止なった(笑)」
小松社長「社員のモチベーションをあげるために、
     社員にあえて難しい仕事をお願いする。
     最初は、社員が『出来ない』と言ってくる。
     しかし、しつこく、繰り返し、職人さんにお願いすると最後は、
     出来ないと言っていた製品が出来上がる。
     結果的に社員の成長に繋がる。しつこさが大事である。」
辰巳社長「鋳造というジャンルは、社員が一帯になる必要がある。
     夫に騙されて(笑)この業界に入ったが、
     社員のみんなが一生懸命、仕事に取り組んでいるのが印象的で
     業界に入って本当によかったと思っている。
     金属学を学んだが、社員と一緒に汗をかく必要を感じて、現場にはいった。
     型バラシの作業は一番大変だったが、
     ゴルフの練習と思い、辛い作業に耐えた。
     乾燥作業、型込め作業、一通り現場を経験させて頂いた。」
渡邊社長「通信教育で熱処理の基礎は学んだ。
     営業が得意だし、好きなので、仕事はお客様から学んだ。」

次に、出産・育児期の女性など、
多様な働き方のために何か必要か?という問いかけだった。
全員一致で、「3年の育休は不必要だ」という話になった。
それよりも10時出社、4時退社などを認めたり、
緊急時の退社(子供が熱を出したり、怪我をしたりした時)を許す社風が必要である。
さらに教育手当、ボランティア手当などを認めるようなことが必要だ、と
女性ならではの意見が輩出した。
辰巳社長は長所経営。みんなが長所を認め合って生きていく経営をしている。

最後に日本が勝ち残っていくためには?
小松社長「海外に売って出て行くこと。挑戦し続けるしかない。」
辰巳社長「日本品質をさらに高めていく。」
伊藤社長「若手社員に経営者マインドを育てている。
     組織として強い会社をつくることが重要だ。」
渡邊社長「日本は技術が高い。世界に売って出ればチャンスはいくらでもある。
     また、女性にチャンスを与えて欲しい。
     女性はすぐに泣いたりするが、翌日にはケロッと忘れている。
     泣くからと言って差別せず、どんどん女性にチャンスを与えるべきである。」


 
3.jpg

 
書き足りないくらい、たくさんの話を頂いた。
これからの日本製造業でも、女性経営者が多く、
輩出していくのではないか、ということを実感した。
女性経営者のみなさん、たくさんのことを教えて頂き、
ありがとうございました。

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2013年05月21日

海外に日本の技術を売り込め~

 
年度末、NCネットワークでは中小企業基盤整備機構(中小機構)より委託し、
世界400万社のネットワークを持つ海外企業情報サイト「KOMPASS」と協力して
海外に日本製造業の技術をWebから発信するというプロジェクトを開催した。

内容は、東北地方の企業30社を対象に<エミダスページ(英語版)>を作成させて頂き、
海外に発信して、引合を得るというものだ。
 

こちらが、そのプロジェクト特設ページ
    ↓ ↓ ↓ ↓

特設サイト.png


  ………

  ………

  ………

結論から言うと、まずまずの結果が出たといえるだろう。
残念ながら数を公表することはできないが、
ヨーロッパ、アジアを中心に、世界から問合せがあった。

結果を出した企業は、(株)野上技研(株)ティ・ディ・シー、etcである。

これらの企業は、以前より積極的に海外の展示会に出展し、すでに英語の自社ページも持っており、社内の海外言語対応も充実している。
つまり、自社の技術力PRに関して力のある企業である。

これらの企業のように、海外に技術を売るためには、下記が必要になってくる。

◆海外展開に必要なこと◆

<ブランディング>
強みを発信できるブランディング。
加工が強いのか、材料に特徴があるのか?何が強いのか?
<語学>
 1、社長がそこそこ英会話が出来る
 2、英語で貿易、実務経験のあるスタッフがいる
 3、即・レスポンス対応ができる担当者がいる
<Web>
 1、英語版ホームページ
 2、英語版エミダスページ
 3、英語版技術紹介動画(これがあるとストライクゾーンへの受注率が高まる)
<展示会>……海外での出展
 1、一目でわかる具体的な製品
 2、英語版チラシ、パンフレット
 3、英語版パネル(特徴を現したもの)

以上の条件が(すべてではないが)揃い、「本格的に海外に売ろう!」となった時に
初めて海外に打って出ることが出来る。

海外メーカーと付き合うには、一度や二度の出展では無理だ。
3回、4回、5回と失敗を重ね、
どうしたら自社の製品が売れるのか、考え抜いて、行動を起こした会社のみが
海外のメーカーから受注できるようになるのだ。

2012、2013年とのハノーヴァー・メッセ出展を経験して、
ますます、海外に行くことの重要性が身にしみた。

4月には、ハノーヴァー・メッセ出展後に、
ポルトガルのダイカスト屋、金型屋を見てきたが、
彼らの売り先の9割は海外メーカーであった。

日本の企業がドイツや、スイスと付き合えないわけがないと思う。

本当に売るためには何をすればいいのか?
必死になって、何度も挑戦するしかない。

それが答えだと思う、今日この頃である。


中小機構プロジェクト
<参加企業一覧>
◆岩手県
RFtestLab㈲
㈱共立精工
㈱伸和光機
㈱千田精密工業
㈱東亜電化
◆宮城県
岩機ダイカスト工業㈱
㈱エムジー
㈱ケディカ
光洋精機㈱
㈱ティ・ディ・シー
東北電子産業㈱
東北マイクロテック㈱
東和工業㈱
引地精工㈱
プラモール精工㈱
◆福島県
㈱会津技研
アサヒ通信㈱
㈱エクストエンジニア
㈲エスク
㈱クォーツリード
㈱サクラテック
㈱サンブライト
㈱ファスナー産業
㈱ミウラ
柳沼プレス工業㈱
◆茨城県
㈱西野精器製作所
㈱野上技研
㈱野村アーテック
㈱ベテル
◆栃木県
㈱アイ電子工業
※都道府県/あいうえお順

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2013年04月01日

工場技術動画撮影 <植木プラスチック株式会社>

 
こんにちは!エミダス事業部の河野桃子です。

暖かくなったと思えば、急に冷え込み、満開の桜も風邪をひきそうです。

天候が不安定ななかではありますが、先日、
植木プラスチック株式会社様の<工場技術動画>撮影に行ってまいりました!


植木プラスチック様は、短納期(4日から)で
試作1個から大量生産まで行う成形加工メーカーです。
0.3~8mm板成型のプラスチックカバーの製造、プラスチック加工/樹脂シートなど、
小型成形から大型成形まで24時間稼働で短納期にて対応しています。

 

動画撮影では、事前に
工場を見ながらの打合せをし、シナリオを作成します。

そして、撮影当日。
丸1日の時間をかけ、工場・事務所内・製品などを撮影します。

 

DSCN2790.JPG

 
 
植木プラスチック様は群馬県に3つの工場を持ち、本社工場内には3棟の工場があります。
丁寧に撮影し、会社の魅力をPRするためには長時間必要になります。
朝早くのスタートにも関わらず、
従業員の皆様は率先して掃除や片付けなど、撮影のための空間を作ってくださり
撮影はスムーズにすすみました。

 
 
DSCN2776.JPG


 
写真ではお見せできませんが、
国内では最大サイズの大型真空成型機(1200×4500、2700×3300)は圧巻です!
動画での公開が楽しみです!


製品も一点一点丁寧に撮影します。
長時間の撮影の間も、植木プラスチックの皆様の素早いご協力で
すべての製品を撮り終えることができました。

 
 
DSCN2801.JPG

 
 
撮影が終了し、1ヶ月半ほどかけて動画が完成します。
お楽しみに、お待ちください!


 ******


NCネットワークでは、<製造業限定!>で
製造業界のPRに特化したホームページやパンフレット、動画の製作を
おこなっております。

*ほかの工場動画はこちら
 「バーチャル工場見学」
 
 

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2012年11月27日

ホームページ写真撮影<株式会社ニッコークリエート>

エミダス事業部の河野桃子です。
最近、風邪がとてもはやっていますね。
しかし、社内の誰よりも風邪とは無縁です。こんにちは!
 
 
NCネットワークでは、<製造業限定!>として
製造業界のPRに特化したホームページやパンフレット、動画の製作をおこなっております。
 
 
先日は、株式会社ニッコークリエート様のHPリニューアルのための
写真撮影に行ってまいりました!
 
 
ニッコークリエート様は、鋳物、ダイカスト、金型、アルミ機械、組立・プラスチックなど9部門、
5つの工場を持つ、栃木の企業様です。
 
栃木とは言っても、ニッコークリエート様の「ニッコー」は日光ではなく、
旧社名・日本工器の略。
創立73年を迎え、各種部品製造をはじめ、洗浄機の開発販売をおこなっています。
 
 
ホームページ作成では、事前にホームページのイメージやPRしたい内容を打合せし、
撮影2日弱の時間をかけ、すべての工場を撮影します。
 
 
1.JPG 
   
プロのカメラマンさんを前に緊張をしていた従業員の方々も
和やかな撮影の雰囲気に、少しずつ笑顔を見せてくださいました。
 
 
 
 
写真.JPG
  
製品は、一点一点専門機材を用い、よりよい角度を捜しながら撮影していきます。
 
 
 
ニッコークリエート様では、撮影のための製品の準備なども事前にお気遣いくださり、
従業員の皆様に支えられて、順調に撮影を終えることができました。

これから1ヶ月半ほどかけて、ページを作り込みます。
どんなサイトになるのか…… 
 
ニッコークリエート様 現:ホームページ

 新・ホームページ公開は、年内予定!!


お楽しみに!
 
 

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2012年07月03日

『京都の企業はなぜ?すごい?』

生田産機、タナカテック。
2社の工場見学に行った。

2社共に5S、「カイゼン」力、に優れた工場だ。


生田産機は、銅、伸銅などに利用する生産設備を作っている。
http://ikuta-sanki.com/


【生田産機 工場風景】 
            
024.JPG


【生田産機 京都の工場は3Sがすごい】      

009.JPG


【こんな事務所で仕事したら気持ちいいよなぁ!】 

013.JPG


【3S掲示板】                  

014.JPG

一方、タナカテックは、板金屋だ。
しかし。美しい。そして、ディズニーランドのようだ。
(僕は工場内に入った瞬間、下町の銭湯だ、と思ったが、
 訂正しディズニーランドとした。)
http://www.tanakatec.com/


【いい工場に来ると、この笑顔です(トーキンシステム新川さんと・・・)】

061.JPG


【工場内風景(ここは下町の銭湯か?ディズニーランドか?)】

035.JPG


【タナカテックさんの3Sも素晴らしい】


京都の企業は素晴らしい会社が多い?
独特の社風で、オンリーワンの技術を持っている会社が多い。
なぜだろうか?

僕の結論は、
稲盛和夫さん(京セラ創業者)と
立石さん(オムロン創業者)である。


稲盛さんは、KDDI、日本航空の再建等も手掛け、
素晴らしい活躍をされているが、
経営者の間で有名なのが、「盛和塾」である。


一方、立石さんは、京都商工会の会頭を努められ、
社内に太陽の家と呼ばれる障害者等が働ける施設も創っている。


この2社に大きく共通するのは、人を基本とした理念経営ではないだろうか?


京都のことをよく知らない僕が、勝手に言うのもおかしいが、
他の京都を代表する企業=任天堂、島津製作所、村田製作所、日本電産等と較べ
て、上記2社が京都の産業界に与えている影響は図りしれない。

それは、創業者の理念に基づくものだと思う。

僕も理念をもっともっと熱くして、世界に発信しよう!

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