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2023年11月16日

医療機器参入座談会

医療機器参入についての座談会を開催した。

本座談会は、2024年1月19日開催予定の「新年賀詞交換会&エミダスだよ!全員集合!」の前座である。
出演者にお互いの顔を知って頂こうということで企画させて頂いた。

中尾さんは、元テルモの会長だが、テルモを辞められてから、医療ベンチャー支援に回っている。
すでに20社以上の医療ベンチャーに携わり、そのうち1社は、EXITしたという。
東大、阪大、東北大、広島大との連携を深めているが、今後は、日本中の医療系大学を基盤として、50億円規模の医療ファンドを立ち上げるという。
医科大、ドクター、そして製造業を結んで、日本発の医療機器ベンチャーを輩出する試みだ。
一般的に医療機器業界は参入障壁が高く、なかなか商売にならないと言われているが、中尾さん曰く「ドクター、病院としっかり提携をして、大手医療機器メーカーへの売却なども視野に入れて開発を行うことで、短期間に患者様に良い商品を提供できることもあり得る」と語る。
中尾さんには、テルモさんでの経験も、含めて、お話をしていただく予定だ。

(株)高山医療機器製作所さんは、エミダスマガジン47号で掲載のとおりだが、
世界中に医療機器を販売している中小製造業だ。
2016年から世界に挑戦し(2008年頃から世界中の展示会を見て回り)、現在、67ヵ国に自社商品を提供している。
すでに売上は10億を超え、今後は、商品点数を広げていくとのことである。

(株)イワサキさんは、大阪の板金屋だ。とても綺麗な板金屋で、イタリアや、ドイツの工作機械が並ぶ社内は、工場とは思えない、お洒落空間である。
岩崎さんが、医療機に参入したのは、病院向けの看護師用の道具や薬を入れるカートを作っていた。
現在は、病院向けDXツールを開発し、病院の資材を見える化している。
現在の売上は、6000万(年間)ではあるが、毎月病院から定額課金のシステムのため、今後も売上が継続して増えていくそうだ。

KOTOBUKI Medical(株)、高山社長は、僕と35年来の友人である。
僕の勤めていた内原製作所から、5分ほどのところで、寿技研という金型&自動機製作を主とする会社で、
オヤジが社長、かあちゃんが経理、弟と妹も会社に勤めている、とすべてが一緒の境遇だった。
僕がオヤジと喧嘩して、ランチに高山さんをお誘いし、近所のとんかつ屋で家族経営の愚痴を言いあったりした仲だ。
高山さんは、2016年頃から千葉大の先生と腹腔鏡の手術練習キットを作り始めた。
その後、人の皮膚感と同じこんにゃくを作り出して、現在は、外科手術用の練習キットを販売し、売上2億弱で、5年目で黒字となった。

もう一人、京都の(株)クロスエフェクトの竹田さん。
彼は、子供の心臓手術の成功率を高めたいとの思いから、3Dスキャンの技術で、商品を開発した。
クロスメディカルの「軟質実物大3D心臓モデル」を利用すれば、成功率を高められるが、これまでは保険適応外であった。
しかし、2023年8月保険適応となり、いよいよ(株)クロスメディカルにより、世界中の心臓疾患の子供たちが救われることとなる。(今回、仕事の関係で来れなかった)

みなさん、2024年 新年賀詞交換会&全員集合を楽しみにしていてください。

2024年「エミダスだよ!全員集合!」では、元テルモ会長の中尾さんに基調講演をいただく。
中尾さんとは、安倍総理が主催した2014年中南米経済ミッション(メキシコ、トリニダート、コロンビア、チリ、ブラジル)でご一緒したのがきっかけだ。
ミッション終了後、日本に戻って、早速、テルモさんにお伺いさせて頂いてからのご縁だ。
2016年代表取締役会長及び業界団体の日本医療機器連合会会長を退任され、
2015年、東北大学、東京大学、大阪大学にバイオデザイン(MedTechイノベーションプログラム)を導入。
現在は、受講生及び修了生に対しメンタリング及びMedTechの会社およびベンチャーの社外取締役及びアドバイザーを 務め、既に20社以上の医療ベンチャーを生み出している。

今回の全員集合のテーマ:「医療機器で人類に貢献!」是非、2024年 新年賀詞交換会&全員集合ご期待ください。

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2023年11月10日

エミダスマガジン53号:プラスチック成形特集

エミダスマガジン、53号「プラスチック成形特集」が上梓した。

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編集部のみなさん、ご苦労様でした。

プラスチックの業界は、材料メーカー、工作機器メーカー、加工部品メーカーとあって、
本来は、材料メーカーの企業さんにも、いろいろとお話を聞きたかった。
今回は、工作機械メーカー各社(ファナック(株)さん、日精樹脂工業(株)さん、芝浦機械(株)さん、(株)ソディックさん、東洋機械金属(株)さん)にお話を頂いた。
各社のお話を聞くと2023年は一段落という声もあるが、芝浦機械(株)さんのように1300億→1800億予想、という強い声もあった。

成形屋さんの方であるが、国内で頑張っている会社さんと海外を中心に仕事を増やしている企業は少なくない。
(株)ユウワさん、hakkai(株)さん、大和合成(株)さんは、海外を中心に顧客を広げている。
ナルックス(株)さん、(株)関東製作所さん、(株)ヤマデンさん、熊野精工(株)さんは、国内生産であるが、確実に売上を伸ばしている。
経営のスタイルは各社まちまちである。

2009年リーマン、2011年震災、2020年のコロナ。
先行き不明な自動車産業、凹凸が激しい半導体。
製造業においても、かつてのような安定生産経営はありえなくなってきている。

常にアンテナを伸ばし、一業種だけでなく、医療、農業、ロボット、宇宙、建築、エネルギーなど様々な分野から幅広く受注をしていくことが、部品産業の成長の道だ。
環境対応、再生問題などもクリアしながら、プラスチックの力で日本製造業を盛り上げて頂きたい。
hakkai(株)の関社長曰く「士農工商プレス屋、プラ屋」であるが、世の中を底辺から下支えする重要な産業であることは間違いない。

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