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2016年10月20日

Hilltop.USA.incを訪問した。

Hilltop.USA.incを訪問した。

HILLTOP(株) は、京都府宇治市に本社を置く、
アルミ切削加工業である。現在、本社92名、東京営業所4名、
そして、ロサンゼルス13名(うち3名日本人)という陣容だ。

今回は、ロサンゼルスのアーバイン(ディズニーのアナハイムよりも
さらに南東、LAから50kmの地点)にある、HILLTOP・USAを訪問した。
(前回、訪問したときは、マシニングセンターが入ったばかりで、稼働していなかった)

2014年4月にオープンしたHILLTOP・USA。

社屋外観.jpg

2年目で単月黒字を達成し、3年目は、通期黒字になる。
顧客ゼロで、しかも米国企業を相手にこの結果だ。
日本企業の新しい戦い方がここにある。

米国での客先開拓であるが、まったく客先がないところからスタートした。
どうやって客先を開拓していったのか?

顧客開拓の中心は展示会である。

展示会にて「5Days Delivery(納期5日)」の看板を掲げ、
複雑3次元形状の製品を並べる。

20161027展示品.jpg

20161027展示会ブースにて.jpg

説明員には女性を中心に配置し、
興味を持った顧客がブースに入りやすい環境を整える。

そんな、展示会出展のおかげで、1年目50社、2年目180社、
3年目300社と客先開拓を行っている。

当初は、全米の展示会に出ていたが、
現在は、カリフォルニアの展示会に年6回くらい、出展し、
売上比率8割がカリフォルニア州のローカル企業である。

日系は5%にも満たない。

「現在は、既存顧客の営業の深堀を進めています。
米国は広いのであまり営業範囲を広げると効率が悪い」と
米国の責任者 山本勇輝氏は、語る。

社員数も13名(うち日本からの出向3名)までに増加した。

HILLTOPが米国で行っているのは、アルミの切削加工である。

HILLTOPのアルミ加工の特徴は、
多品種小ロットの短納期で提供できるところにある。

3次元の難易度の高い形状であっても、
初品5日。リピート3日で提供している。
さらに設計(CAM)は、京都で行い、出力のみ(マシニングセンター)を
米国で行っているのが大きな特徴である。

その根幹にあるのが、HILLTOPシステムだ。

見積→受注→プログラム製作→加工→納品→売上までの工程を、
最適化したソフトウェア群にて、徹底的にカスタマイズしたものが
HILLTOPシステムである。

3次元CADは、SolidWorksをベースにしながら、
あらゆるCADの受入れを行うことが可能だ。

3次元CAM(プログラム製作)では、複数のCAMを利用しているが、
すべてカスタマイズしているために、自社CAMのように扱うことが出来る。

文系の女性が、およそ半年で使いこなせるようになる
プログラム教育も驚異的だ。

このHILLTOPシステムを利用し、
見積もりから納品までのリードタイムの徹底的な短縮を図っている。

設計や、CAMを米国でやると人件費が日本の倍は掛かるとのこと。

この部分を日本にデータを渡し、翌日には米国でプログラムを載せる。
そんなシステムが確立させたのが、HILLTOPの強みである。

まさに先進国、米国カリフォルニア州で、ビジネスモデルが確立したといえよう。

HILLTOPの次の目標は、中西部(オハイオ、ミシガン近辺)か、東部(ペンシルバニア)だという。

今後、さらにヨーロッパに向けて、HILLTOPの躍進を期待する。

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