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2015年10月16日

上野歩 「探偵 太宰治」

エミダスマガジン誌で、いつも経営者の素顔を担当していただいている
作家上野歩の新作が出た。
「探偵 太宰治」
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このところ、
「削り屋」
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「わたし、型屋の社長になります」
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「墨田区吾嬬町発ブラックホール行き」と
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製造業3部作が続いた。
(来年は、ネジ屋を出すそうです)
今回は、太宰治を題材にした小説である。

先日、上野歩と飲んだ時である。
内原「おまえ、今回の小説は、いいとろこに目をつけたなぁ。
   しかし、太宰ファンに通じるのか?」
上野「一応、文学部出身だからな、まぁ、とりあえず、読んでくれ」
との会話を交わした。

そして、読んだ感想である。
僕自身、太宰治の小説は、好きでもあり、嫌いでもある。
文章はもちろん美味いが、夢なし、未来なし、途方に暮れる。
だから、滅多に再読しない。しかし、時々、読みたくなるのが、太宰作品だ。
人生に打ちひしがれた時、寂しい時、深く考えたい時、
つい太宰の作品を読んでしまうときがある。

本作はそんな太宰治の青春時代を見事に描いた秀作だ。
なるほど、わかる、気持ちがわかる、ほんとに分かりはしなぃが、わかる。
そんな気持ちになる小説でした。

良い小説だと思いました。
みなさん、読んだら、ぜひ、感想をAmazonに載せてみてください。

そうそう、僕が唯一好きな、太宰作品は 「津軽」です。

「探偵太宰治」にも出てくるが、太宰の実質の育ての親「たけ」に
十数年ぶりに会いに行く話だ。
津軽半島の青森市側から、昔の友人と会って、飲んで、泊まって、
津軽半島を左回りに一周して「たけ」に会いに行く。

飲んで、食って、寝て、思考に耽って、飲んで、食って、寝て、
思考にふけって・・・ 紀行文のような私小説である。

僕は、青森方面に旅に行くときには必ず携行する小説だ。
これも面白いので、興味がある方はぜひ・・・

10:21 | コメント (0) | トラックバック

2015年10月13日

わたし、型屋の社長になります 上野歩 著

先週、「わたし、型屋の社長になります」が刊行された。
何度も読んでいるが(自画自賛で申し訳ない)感動の物語だ。

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物語は、花丘製作所(金型屋)の社長が、突然、倒れ、
娘が急遽、社長を引き継ぐという話だ。

過剰投資、売上減、社員の反乱などを経て、
社長として成長していく感動のストーリーである。

作家の上野歩くんとは、大学生時代からの付き合いで、エミダスマガジンの
「経営者の素顔」というシリーズをいつも担当してくれている。

彼に、製造業の話を書いてほしい、と頼んだことから、
2006年にエミダスマガジンで連載していた「KATAYA~金型屋物語~」が
始まった。今回、それを大幅に改定して、「わたし、型屋の社長になります」となった。

主人公のモデルは、日本電鍍工業(株)さんの伊藤麻美社長の印象と、
中辻金型工業(株)さんの戸屋さんをイメージしている。

日本電鍍工業さんの伊藤社長から、亡くなられた父の会社を再建していく、
という話を聞いて、本作のイメージが膨らんでいった。

主人公が継ぐことになる花岡製作所の外観イメージは、墨田区の(株)浜野製作所 さんだ。浜野さんは、鈑金屋らしからぬ工場外観で、工場のイメージを大きく変えてくれた会社である。同じく、京都の山本精工(現HILLTOP(株))も参考に させていただいている。

越後クリエイツ 関社長は、そのまま八海クリエイツ(現 hakkai(株))の関社長だが、
ここに出てくる関社長は、髭面で、若干印象が違う。

同じ成形業でほずみ合成工業所は、名古屋の(株)みづほ合成工業所さん。
入社してくる社員の藤川さんは、(株)丸山機械製作所さんの塩川副社長がモデル。

「削り屋」に次いで、製造業町工場の本格的な物語が誕生した。

少しでも、製造業に入りたいという若者が増えてくれると嬉しい。

16:42 | コメント (0) | トラックバック