2025年03月19日
室蘭工業大学とキメラさん見学会記 (NCネットワークのイベント, 工場見学~北海道・東北, 挑戦する製造業の現場レポートブログ)
3月7日(金)
2025年最初の工場見学会。
室蘭工業大学の「ものづくり基盤センター」、株式会社キメラさんに行ってきた。
室工大の清水先生とは、インターステラテクノロジズ株式会社さんがきっかけで知り合った。
鋳造業界のみなさんに聞くと、知らない方はいらっしゃらない大御所の大先生で、
今回は、室蘭工業大学の「ものづくり基盤センター」と清水先生の講義を聞いた。
清水先生は、大分の高専出身。北大に進学後、新日鉄に入社。
いまでは信じられないが、当時は、残業200時間、当たり前の生活の中で、ものづくりを覚えていったそうだ。
その後、室蘭工業大学で教鞭をとりながら、全国を回っている。
TV出演回数も多く、
商品販売も得意で、鉄鉱石クッキーをお土産に頂いた。
巨大ジンギスカン鍋でもTVに大きく取り上げられた。
そして、「ものづくり」への熱い想いを語るべく全国の小中学校へ、「ものづくり体験教室」も提供されている。
清水先生に影響を受けて、「ものづくり」業界に関心を持ってくれる子供たちは、着実に増えている。
「挑戦している・・・・・」By 清水先生
聴講者は、感銘を受けました。
▲ものづくり基盤センターにて
キメラさんは、プラスチック金型部品、金型の製造を中心にしてるが、
最近は、機械加工の分野で新規顧客を開拓している。
中でも医療機器、宇宙分野(インターステラテクノロジズ)など、難しい加工品に挑戦している。
▲キメラさん工場にて
最近の試みで素晴らしいのは、お客様から難しい加工案件が来ると、
「カンファレンス」と呼ばれる会議体である。ドラマ・ドクターXで有名になった手術のカンファレンス会議と同様にお客様から受けた難しい加工案件を社員で共有し、どういった加工方法が最適かを図るとのこと。
毎週、1回は、カンファレンスが開催され、難加工に挑戦している。
技術は、難しいことに挑戦することから始まるが、キメラさんが今後、どんな難削材や、難加工にも対応していく姿勢には、
共感を得た。
本見学会の開催レポートを公開中!
ぜひ、ご覧ください。
▸▸レポートはこちらから◂◂
10:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
2025年03月17日
NCネットワーク<2025年お花見>ご案内 (NCネットワークのイベント)
2025年 ~ 春が来た ~
今年も花見を開催します。
飲み物、食べ物は、ご持参ください。
屋台、コンビニ、すぐそばにあります。
2025年、トランプが大統領になり、習近平、プーチンと3大怪獣が出揃った状態となった。
経済の行く末はまったく見えなくなりましたが、世界は、平和です。
飲んで、歌って、お花見をします。
今年も、お時間のある方は、お立ち寄りください。
================================
日時:2025/3/30(日)
時間:12時~
参加費:無料
場所:上野公園
下記地図をご覧ください
================================
<場所は赤い線のところになります>
<去年の様子>
飛び入りでフランス人のサックス奏者さんが花見会に参加
セッションしました♪
12:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
2025年01月30日
今年はSF小説並みに波乱万丈な世界観!? (NC社長・内原康雄)
2025年が始まった。今年はどんな年になるのか?
今の世界は、SF小説並みに波乱万丈な世界観だ。
トランプ大統領が、米国のトップとなり、トランプvsプーチンvs習近平、という大国のトップが、それぞれ怪獣のような個性の面々となった。
SF小説並み・・・と言っているのは、予測不能だからだ。
経済も、政治も、世の中、予測不能な時代となった。なので、ここはSFの話を・・・・
コロナを予言していた名作小説に、小松左京「復活の日」がある。1964年に書かれたSF小説である。映画は、深作欣二監督「復活の日」(1980年)があるので、こちらをご覧ください。いい映画だ。コロナ系で、見ておくべき映画は、W・ペーターゼン監督「アウトブレイク」(1995)、S・ソダーバーグ監督「コンテイジョン」(2011年)かな。
僕は、これらを見ていたので、「人類が絶滅する時は、するし、しない時はしない」と思い、コロナ最中も、楽観的に生きてきた(ゾンビも、コロナ系、と言えば、コロナ系の派生だな)
今は、AIに目が離せないが、注目しなければならない作品は、数多くある。
S・キューブリック監督「2001年宇宙の旅」(1969年)。
木星探査船「ディスカバリー号」が、木星に向かう。運航は、スーパーコンピューター「HAL9000」が担っている。そのスーパーコンピューター「HAL9000」が反乱を起こし、乗組員の5名のうち4名は死亡。デイビッド・ボーマン船長が、「HAL9000」の停止スイッチを作動させ、反乱を食い止める話だ。
ジェームズキャメロン監督のターミネーター(1984年)は、見た方も多いと思うが、スーパーコンピューターが、全人類に反乱を起こし、人類VSロボットの戦争が始まる話である。
昨年のG・エドワース監督「ザ・クリエイター~創造者~」(2023)も名作だ。
米国(AI撲滅派)vs東南アジア(AI共存派)の対立を描いている。
現在のように予測不能な世界をいろいろな観点で、予測しているのが、SFである。みなさん、ぜひ、SF小説、SF映画を見て、未来を予測して、楽しく生きて行こう。
16:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
2024年09月11日
街のど真ん中に新工場 x カフェ!(株)ミクロ発條 (工場見学~中部・北陸, NC社長・内原康雄)
(株)ミクロ発條さんの新工場を訪ねた。
新工場というと、郊外が普通だ。
(株)ミクロ発條さんの新工場は、なんと上諏訪の市役所の隣。
街のど真ん中に新工場を建てた。
1Fには、MIKURO CAFE。
市長も時々、来ると言う。
アイスクリームとコーヒーを頂く。旨い。
小諸の珈琲店に特別に作ったMIKURO珈琲アイスクリーム。
「こちらのカフェも毎日、お客さんがたくさん来ていただいて、黒字となってます」
小島社長は、喜びを隠さない。
早速、新工場を案内いただく。
3Fは、社員食堂、事務棟、BAR、屋上テラスなどがあり、社員が夢を語れる提供している。
2Fは、超精密バネ製造。目で見ても分からない大きさのバネを多数、製造している。
1Fは、一般的なバネ。
ミクロ発條は、月産1億本を誇る水性ボールペンの先端部分を始め、超精密バネに特徴を持つ。
上海、大連、マレーシアにも工場を持ち、日本130名、海外600名の社員で、グループ売上は40億円強。
今回の工場を建てるにあたり、2020年から社内ブランディングを検討。
家族的経営を基盤にしていたが、世界を目指す家族というブランディングを計画。
家族=ミクロ一味。工場は、秘密基地。というコンセプトを作った。
「超精密バネ、と一言でいうけど、仕事は超ハードなんです。だから、世界一を目指し、トップになることにプライドを持つ。そういった集団の楽しいものづくりの秘密基地を作りました」と小島社長は語った。
今回、その秘密基地を見せて頂ける機会を作った。
9月20日に(株)ミクロ発條さんを訪問するエミダス工場見学会を開催します。
ぜひ、お越しください。
▼工場見学会詳細・お申込みはこちら▼
9月20日開催(株)ミクロ発條様・太陽工業(株)様工場見学会
15:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
2024年03月28日
(株)クロスエフェクト 代表取締役 竹田氏 (工場見学~関西, 製造業)
(株)クロスエフェクトは、2001年設立 、社歴23年のものづくり企業である。
竹田社長とは、京都試作ネットを通じて、20年来の親交がある。
京都の町工場では、HILLTOP(株)さんと並んで、先進的な企業である。
先日3月15日、4年ぶりに工場見学を兼ねて、工場を訪問させて頂いた。
●創業の経緯
竹田社長の実家は、成形屋だった。
父の経営を見ていた竹田社長は、自分は親とは一緒に仕事が出来ない、と
親とも、話したうえで、大学卒業後、米国に遊学。
その後、日本に戻り、3Dの活用を中心とした(株)クロスエフェクトを設立した。
創業時は、3次、4次下請け企業の2次元図面の3D化の事業だ。
「当時は、それでも、そこそこお金を払っていただける企業がありました」と竹田社長は当時を振り返る。
(株)クロスエフェクトが順調に事業を伸ばす中、父が急逝。
父の事業の閉鎖を継ぐこととなる。
父の会社は、80人規模の成形屋であったが、1社依存のため収益性が低く、
竹田社長は、すぐに事業閉鎖を決断。
竹田社長が小さいころから、知っている古参の社員の前で、閉鎖を告げた。
その際には、主力のメガバンクの貸し剥しにもあったが、その際に助けてくれたのが、現在の京都信用金庫だったという(株)クロスエフェクトの主力銀行である。
その後、高速試作サービスを掲げ、事業を拡大していった。父から育ててもらった反面、父の経営と正反対の経営手法を学んでいく。
竹田社長に大きな影響を与えたのは、京都試作ネットを通じたピーター・ドラッカーの勉強会だ。
竹田社長は父から「建物に金を掛けるな、設備に金を掛けろ」と言われ育ってきた。
しかし、京都試作ネットの恩師、HILLTOP(株)の山本相談役からは「建物に金を掛けろ、設備は、ただのプリンターにすぎん」との教えを受けた。
竹田社長は2015年に本社を建て替えた。
「設立前は、毎月70万円を支払って、貸し家を借りていたわけですが、新しい社屋は、150万円支払っていけば、借金も返せる。
やるなら今しかない、と考えました。その後、固定資産税だの、それだけでは済まない、と分かりましたが」と竹田社長は語る。
山本相談役の教えを実行した(株)クロスエフェクトのもとには、山本相談役の言った通り、優秀な社員が続々と集まるようになった。
●医療事業(クロスメディカル)への展開
(株)クロスエフェクトの主サービスは、短納期試作である。
現在も、「早さへの挑戦 ~FASTEST~」を掲げる。
そこでは、期待を超える速さで新製品の社会実装を実現する、との掛け声をもとに様々な製品メーカーの設計に関わる実装デザインを提供している。
▶クロスエフェクト様の実績はこちら
そんな(株)クロスエフェクトに国立循環器病研究センターの先生から、赤ちゃんの心臓モデルを最速で作って欲しい、との依頼が舞い込む。
最初に話が来た時には、CTデータの画像があまりにも粗いために断ったが、
数年後、同じ話が来た時には、これは挑戦する価値のある事業だと再考し、医療事業をスタートした。
医療事業の始まりについて、「第5回ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞を受賞し、国のお墨付きを受け、あとは、薬事に関する許認可を取るだけだ・・と自動車免許でも取るつもりで始めました。そこからが医療機器販売に向けた苦しい戦いが始まった訳です。」と竹田社長は語る。
(株)クロスエフェクトの模擬心臓を利用した医療手術という画期的なアイディアだが、世界のどこを探しても前例がない事業である。
日本でこの医療機器の薬事承認を勝ち取るためには、まず術前シミュレーターという新カテゴリーを医療業界に認知し、医療適合するところから始まった。
2023年クラスⅡでの薬事承認、2024年夏ごろに保険適応予定だ。
まだまだ、事業としては途中半ばであるが、国の助成などもあり、ようやく大きな前進を遂げている。
●デザイン事業(クロスデザイン)への展開
最速試作事業をやっている中で、デザインから受託する事業が多くなってきた。
「デザインで、もっとお客様の役に立ちたい」という気持ちから、
(株)クロスエフェクトでは、3D人財だけでなく、デザイン人財を多く、採用してきた。
竹田社長が、目を付けたのは、意匠権である。
従来は、デザイン設計を請負い、納品は、図面を納める。
しかし、共同作業で、意匠を検証し、量産図面に展開するお客様に対しては、
デザイン設計に対しての意匠権譲渡を本格的に開始した。
「従来のお客様に関しては、正直、離れていくお客様もあります。
しかし、デザインから量産図面を担う、一番大変な労働をしている価値を認めてもらうことは、弊社の今後の成長になくてはならない、と事業化を開始しました」。
日本の多くの金型屋では、これと同じ問題を抱え、技術を持ちながらも廃業・倒産に追い込まれた企業が多数ある。
竹田社長のデザイン事業での取組は、これに真っ向から挑み、製品メーカーとパートナーシップを結びながら、
実益をしっかり頂いていく試みだと感じた。
●クロスエフェクトの今後
~DX(AI)が進み、知的労働がなくなる~
クロスエフェクト、クロスメディカル、クロスデザインと3社を軸に活動範囲を広げる竹田社長。
会社を分けている理由の一つは、お客様が違うからです。
お医者様に営業に行く際は、礼儀正しいスーツを着て、時間通りに行かないと、先生に叱られます。
一方、デザイナーの世界は、短パンTシャツ無精ひげ当たり前の世界で、スーツで訪問しようもんなら、「どうした、結婚式の帰りか~」などと言われてしまいます。
なので、お客様によって、事業をしっかり分けて、対応しているのが現実です。
「弊社では、今、AI活用の中で、今後、どこのポイントで生きていくのかを実証実験を始めています。
従来は、IoT、DX、AIが進むと単純労働が無くなると言われてきました。
しかし、AIの出現で、なくなるのは知的労働で、実労働作業は、増えるのではないかと考えます」と竹田社長は語る。
例えば、デザイナーの仕事は、人間が120時間掛けてデザインしたものを、45秒で描くのがAIの力である。
弁護士AIに秘密保持契約書を読み込ませると、同じく45秒で、自社にとって有利、不利な契約内容を、いく通りの案を出してくる。
「AIを実装していくと、弊社でもデザインの仕事は、最速で出来るようになりますが、まだまだ実際に作れるようなデザインではないことが、多いです。しかし、数年で追いつくようになるでしょうね」
クロスエフェクトでは、すでに多くの社員がAIを利用しながら仕事をしているという。
さらに「Monozukuri Ventures」なる約40億円 規模のファンドも、京都試作ネットのメンバー及び、京都地銀各社が出資して立ち上がった。
今後のクロスグループはどこへ行くのか?
3D図面というVirtualから、事業をスタートした(株)クロスエフェクト竹田社長。
Virtualをどう操っていくのか?人間が操られるのか?
ものづくりの世界もSF検証をしなければならない時代に突入した。
14:00 | コメント (0) | トラックバック (0)