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2011年11月01日
黒澤明「七人の侍」 (趣味~映画)
一昨日、久しぶりに「七人の侍」を見た。
いやぁ、なんとも。言葉がでんほど、感動する。
ということで、今日は「映画」をテーマで行ってみようかなぁ。
世界の映画史の中でに燦然と輝く名作。
これを見ずして映画ファンは語れない。
これを見ずしては日本人の恥である。
海外の映画人は、この作品をどれだけ愛しているか?
S.スピルバーグ、J.ルーカス、F.コッポラが自らを黒澤の弟子だと称するほど、
黒澤映画が世界に与えた影響は大きい。
その中で「七人の侍」はダントツに面白い作品だ。
ストーリーは、単純明快。
悪辣非道な野武士に、農民が侍7人を雇って決起する話だ。
最初、20分、イントロ部分はこれでもか、というほど農民のどうしようもない
暗さを描く。
そこから、武士を雇い始めるきっかけになるボス侍、志村喬が、赤子を助ける
ために坊主に変身し、東野英二(水戸黄門)演ずる盗人に切り込むシーン。
ここから映画は面白くなってくる。
ここでのスローモーション・ショットは、この後の映画業界に大きな影響を与える
ことになるシーンの一つである。
東野英二が握り飯を持って、バタっと倒れるシーンは素晴らしい迫力である。
黒澤風と呼ぶべき、風も効果的だ。
また、ワイプと呼ばれる画面の切り替えも黒澤が始めた手法の一つだ。
これはJ.ルーカスが「スターウォーズ」で多用している。
島田 勘兵衛を演じる志村喬が、農民のために決起することで話が前に進み始め、
志村喬と何度も戦場を共にしている「古女房」こと七郎次、加東大介
宮本武蔵を髣髴させる侍、宮口精二
雰囲気を明るくする侍、千秋実
修行中の若侍、木村功
農民出身の菊千代、三船敏郎
など、個性が光る侍、7人が集まることになる。
そして、農民を鍛え、農村を城下とし、野武士との戦闘が始まる。
ストーリ-テリングは、比類なき面白さだ。
細かい設定もひとつひとつ細かく作られている。
また、米作で季節を追ってお米を作っていく工程も魅力的に描かれている。
日本人の農耕民族としての一面と武士社会が崩壊した時代の武士の生き様etc
この時代の設定がわかりやすく丁寧に話が進められる。
七人の侍の素晴らしさは、ショットのひとつひとつが印象的なことだ。
10台以上のカメラを使い、的確に役者の演技を捉えていく。
俯瞰(遠距離から撮る手法)での絵心も素晴らしい。
野武士40人が馬で丘から降りてくるシーンは「スターウォーズ・エピソード1」が
攻めてくるシーンにパクられている。
「七人の侍」を支えているもう一つの魅力は音楽だ。
早坂文雄がつくる七人の侍のテーマ音楽は、場面場面によって情景を奏でる。
農民のテーマ、侍のテーマ、菊千代のテーマなどの音楽が場面ごとに様々な
アレンジで聞かせてくれる。
昭和30年代の映画音楽は、最高に充実していた。
白黒映画といえども馬鹿に出来ない。
見始めたら、最後まで目が離せない。
そんな映画が「七人の侍」だ。
ぜひ、ご覧あれ!
2011年11月01日 15:31
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