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2007年09月04日

しょうがねえなあ 作家・伊集院朔太郎

ほんとに書かない皆様だこと。
こんなんでIT企業と言えるのか?
オレに心配させるな
というわけで、小心者のオレが書くことにした。

それでもひとつだけ伝えておく。
オレは本当に忙しいのだ。


寝る前に、チビちゃんに昔話をしてあげるのも良きパパであるオレの役割のひとつだ。
今日は、そのなかでもチビちゃんの大好きな、伊集院版「浦島太郎」を紹介しよう。

ある浜辺で浦島太郎は、亀をいじめている子ども達を見かけた。
そ知らぬふりで通り過ぎようとしたが、間の悪いことにいじめられて困っている亀と目が合ってしまった。あ~面倒くせえ、なんで見ちゃったかなと思いながらも子ども達に向かって言った。

「あ~、善良なる少年たちよ。弱いものいじめは卑怯者のすることだぞ」
「え~、亀って弱いの」
「そりゃあ、水から上がれば弱いだろう」
「そんなことないよ、亀は万年生きる強い動物だって先生が言ってたもん」
「屁理屈並べてねえで、亀をいじめるのはやめろ」
「フン、変なオヤジ」

子ども達は、浦島太郎の悪口を言いながら逃げて行った。
あとには、申し訳無さそうな顔をした亀が残っていた。

「お前もさあ、逃げるとか、抵抗するとか、できなかったわけ」
「すみません、なにしろ陸の上は苦手なもんで」
「なんだって、そんな苦手な陸に来たりしちゃったわけ。まあ、いいや気をつけて帰れよ」
「いやいや、このままじゃ帰れません。助けていただいたお礼をさせてください」
「礼なんかいらねえよ、気をつけて帰れよ」
「あ~待ってください。海の底の竜宮城には絶世の美女が待ってますよ」

絶世の美女と聞いて浦島太郎は考えた。
まあ、用があるわけでないし、話の種に竜宮城とやらに行って見るかと思った。

「よ~し、じゃあ、そんなに言うんじゃ行ってみるか」
「それでは、早速私の背中に乗ってください」

浦島太郎は、言われるがままに亀の背中に乗った。
亀は、のそのそと歩いて海の中に入ると陸の上ののろさが嘘のようにすいすい~っと泳ぎ始めた。そしてザブンと海の底へ向かって潜り始めた。
亀が潜り始めてしばらくすると浦島太郎に異変が起きた。
「う~、う~、苦しい。もうダメだ」
そう言うと浦島太郎は亀の背中から降りて海面に向けて泳いで行った。
やっとの思いで海面に出た浦島太郎は言った。
「ちきしょう、なんて亀だ。もう少しで窒息して溺れ死ぬところだったぜ。今度会ったらタダじゃ済まさねえぞ」


甘い言葉に誘われてついて行っちゃうと怖い目に合うよというお話でした。

2007年09月04日 18:47

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