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2007年05月31日

真夜中の出来事 作家・伊集院朔太郎

その日は、少しだけ酒を飲んで家に帰った。
時計は23時を少し回っている。
静かな夜だ。
風呂に入りお茶を飲もうと冷蔵庫を開けた。
臭かった。
(オレ、ここで思案。どうして冷蔵庫の中臭いの?)


お茶を飲みながら、やっぱりおかしいともう一度冷蔵庫の扉を開けた。
やはり臭かった。
アイスを食べようと冷凍室の引き出しを開けてアイスを取り出した。
アイスはオレの手の中でつぶれた。
異常に気付いてからのオレの行動は素早かった。
(歩くのは遅いけど)
寝付いたばかりの女房殿を起こし、冷蔵庫の異臭を訴えた。
「なっ、なっ、臭いだろ。おかしいだろ。何入れたわけ?それとアイス融けてたぜ。開けっ放しにするなよな」
冷蔵庫ごときで起こされた女房殿は面倒くさそうに冷蔵庫を開けると異常に気付いたようで冷蔵庫の中のいろいろなところを触っている。
「何調べてるの?臭いだろ?匂うだろ?何入れたの?」
周りで騒ぐオレを見下すように女房殿は言った。
「パパ、この冷蔵庫死んでる」
「なにそれ、壊れているってこと?」
「そうみたい、どこからも冷たい風がでてないもん」
「じゃあ、それでアイス融けちゃったんだ」
オレは確認のために製氷室を見た。
氷が融けて水がタプタプしている。
「おい、たこ焼き大丈夫かな?チーズケーキは?」
「あんた、冷蔵庫よりたこ焼きが心配なの?」
「だって、食べてないんだぜ。よ~し、今食べちゃお」
オレは、せっせとたこ焼きをレンジに入れ、チーズケーキをオーブンに入れた。
ビールを飲みながら、焼きあがったたこ焼きとチーズケーキを食べた。
うまいぜ。
そこでまたまたオレは思いついた。
生ハムがあったはず。
チーズも。
行動力あふれるオレは、生ハムとチーズを皿に盛り付け、完全に一人宴会モードへと突入した。
「いやあ、今食べちゃわないと腐っちゃうだろう。もったいないもんな」
「あんた、この状況でよく呑気に食べていられるわね。冷蔵庫が無いと明日からウチ毎日店屋物だよ」
ってお怒りモード突入の女房殿。
冷蔵庫あっても店屋物多いけどなんて口が裂けても言えないなと思いつつ
「明日買ってこようか?」ってお伺いをたててみる。
「そうして」女房殿が当然のように言い放つ。
明日、明日と言いながら手帳を開くと予定が詰まっている。
仁王様のように冷蔵庫の前に立ち睨んでいる女房殿に明日買いに行けないと言える状況でなくなっている。このバカ冷蔵庫も少しは気を遣って欲しいものだ。
意を決して、工場長へ電話するオレ。時計はすでに1時を回っている。
出ない。
そりゃそうだ。
こんな時間に上司からの電話、オレだって絶対出ない。
しょうがない、オレは恐る恐る怒る女房殿へ声をかけた。
「ママちゃんさあ、冷蔵庫、明後日の朝一番で買ってくるから明日は我慢してくれない」
「明後日?何言ってるの、明日でも駄目。今日買ってきて」
「今日ですか?もう1時回っていますが」
「ドンキホーテがあるでしょ」
「これからドンキホーテ行って冷蔵庫買ってくるの?」
女房殿は当然だと言わんばかりに冷蔵庫の前で大きく頷いた。
「でもオレ、飲んじゃったし」
「何言ってるの、タクシーがあるでしょ」
すぐさま一番近いドンキホーテ六本木店にTEL
「あの~、そちらで冷蔵庫売っていますか?」
「はい、ありますよ」
「どんな大きさですか」
「ナショナルの180リットルくらいの小さいタイプです」
「ママちゃん、冷蔵庫あるって、ナショナルの180リットルだって」
喜び勇んで声をかけるオレに
「あんた、180リットルで足りるわけ無いでしょ。このボケだって460リットルなのに」
とうとう壊れた冷蔵庫はボケ呼ばわりされてしまったらしい。(くわばらくわばら)
「じゃあ、どのくらいのがいいの?」
「引越しすると壊れるっていうのは本当なんだ。1年経ったらまた引っ越さなきゃだし、韓国製の300リットルくらいで5万円以下のにして」
怒りながらも細かな注文を出す女房殿
「あ~、すいません、お待たせして。韓国製の300リットルくらいので5万円以下の冷蔵庫ありませんか?」
「ウチには180リットルしかないです。平和島店だったら大きなタイプあるかも」
「じゃあ、平和島店の電話番号教えてください」
たこ焼きを食べながら平和島のドンキホーテに電話したが、結果は同じでやはり女房殿希望の冷蔵庫は置いてなかった。
怒り200%の女房殿にたこ焼きを勧めながら明後日までの了解を取り付けたのが2時。
オレの起床時間は5時30分。
勘弁しろよ、冷蔵庫。

ちなみに今がその明後日の朝だ。
会社に事情を話し、ビックカメラの開店待ちをすることにしたオレ。
開店が10時なのであまりにも時間があまりブログを書くオレ。
なにやっているんだか?


昨日、内原と久しぶりに飲んだ。
ぐっさんも一緒だった。
ぐっさんが待つという八重洲の店へ内原は住所だけを頼りにドンドン歩いていく。
うしろをタラタラ着いていくオレ。
「うっち~、場所わかってんの?歩くの速いよ」
「大丈夫、きっとこっち。それより速く歩けよ」
こいつ、GPSでも埋め込んでるのかと思いながらも心配になり、ぐっさんに電話するオレ。
「ぐっさん、迎えにきてくれ。内原、人間GPSみたいに路地をドンドン歩いて行っちゃうし、絶対に迷うよ」
「着いた。この店だ」内原が当たり前のように店に入っていく
「ぐっさん、大丈夫みたい。着いたって。こいつ本当に頭にGPS埋めてるよ」
バカものたちの夜は長い。

9時だ。
そろそろ準備するか。
韓国製の300リットルの5万円以下の冷蔵庫を買いにいかなきゃ。


2007年05月31日 09:05

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コメント

Gussan まいど!
知ってる、知ってる、そのドーナツ屋
女房殿が買ってきたことがあります。
毎日、お嬢ちゃまを送りに行くので、そのついでに足を伸ばしたようです。
食べたけど、オレにはミスタードーナツとの違いがよくわからなかった。というか、その店のまとめ売り商法が気にいらん。
また飲みにいこうね。

投稿者 伊集院朔太郎 : 2007年06月07日 08:42

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