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2012年01月31日

日本製造業!復活の方策! 経営&挨拶

いつの時代も、トップランナーがトップランナーであり続けることはない。
同様にトップを走っている国がずっとトップであり続けることはない。
製造業においてもそれは明らかである。

世界史を見ると造船の技術で世界を制したイギリスから始まり、
航空技術で世界を制したドイツ、
そして自動車の大量生産技術でトップに躍り出たアメリカ。
さらに安くて良い品質で日本が、
世界の製造業のトップに立ったことは歴史上の事実だ。

アジアの小さい島国が世界第2位のGDPを約30年も享受出来たことは
誇るべきことである。
今、日本製造業はトップランナーならではの苦しみを味わい、
他国に抜かれることに対して脅威を感じている。
トップランナーは常に第2位のランナーからは追従を受け、
抜かれるのが歴史上の真実だ。しかし、トップでなくても役割はある。

製造業の場合、日本がトップである必然性がもはやないのだ。
製造業の技術は人々の生活を豊かにするために培われる。
その理屈でいくと製造業が一番必要とされる地域は人口が多い地域となる。
これが中国、インド、ブラジル、東南アジア諸国の製造業が活性化する理由である。


●市場が決めるものづくりの価格!

ベトナムホンダのバイクが売れている。
ベトナムでのバイクの価格は700ドル(約6万円)だ。
この価格で良い製品をつくっているからこそ
ホンダのバイクはベトナムでの市場を席巻した。

2005年頃、ベトナムホンダのバイクは中国の偽物メーカーに苦戦をした。
当時、ホンダのバイクは、約1200ドル(約10万円)
偽物メーカーのバイクは、7~800ドル(約6~7万円)
この価格差が、製品が売れるか、売れないかの分水嶺なのだ。
ベトナムで今、バイクを必要としてるユーザーは、
給与が月額100ドル前後のワーカーが中心である。

100ドルのワーカーにとって、1200ドルのバイクがいいことはわかっていても、
やはり、700ドルのバイクを選択せざるをえないのが事実だ。
そこで、ホンダベトナムはコストダウンを実行し、
中国の偽物メーカーと対抗しえる価格帯の商品を出すことで市場を席巻したのだ。


●良い製品が売れるのは先進国!

以上の事例からわかるように、
良い製品だからといって高い製品が売れるのは先進国だけだ。

バイクが欲しい、冷蔵庫が欲しい、液晶TVが欲しい、iPhoneが欲しい・・・
今、BRICKS諸国の若者たちは少ない給与で、
なんとか自分たちの生活の中にたくさんの製品を欲している。

韓国サムスンの液晶TV、携帯電話は、まさにここに焦点を当て、
数を多くつくることで世界のシェアを圧倒した。
日本勢は、品質が良いことが逆手となり、
自分達がかつて欧米を席巻した理由を忘れてしまった。

結果として、パソコン戦争以降、TV、携帯電話、音楽プレイヤーなど、
多くの分野で、日本メーカーが当然のことながら取ると思われていたシェアを
続々と奪われていったのである。

日本メーカーは、再度、ものづくりに対して真摯に取り組み、
安くて良い製品を大量につくることと、適度に良くてブランド力のある製品、
この二つを同時に取り組まねばならない。


●日本製造業がやるべきこと!

日本製造業にはかつてない大きなチャンスが巡って来ている。
危機的な状況の時こそ、企業は変わることが出来る。
社員も危機感を持ち、次の手を考える。
戦略、戦術をハッキリと打ち出し、
世界情勢に流されずに日本製造業ならではのことをやるべきだ。

僕は日本製造業に次の5つの戦略をお勧めする。
1、最先端技術の開発(素材、加工技術、付加技術の研究・開発)
2、現地生産、現地人による消費地にての大量生産技術の確立
3、生産技術に必要な金型、設備、冶具等の開発
4、BtoCでの販売(高付加価値販売の確立)
5、国内市場での人財の育成(日本人、外国人)

製造業と言っても、メーカー、部品メーカー、生産財メーカー、
大規模メーカー、小規模メーカー、町工場など、立場は様々だ。

しかし、やるべきことは一緒である。

1社1社がそれぞれ、戦略を持ち、雇用している社員を守るべく、
それぞれの売上、利益を確保するのみである。
大企業であれば、それぞれの子会社の中で、町工場であっても上記の5つの戦略
の中からそれぞれの企業に適正なテーマを1つ、あるいは2つ取り上げ、
365日の中で何を行うか決めることが必要だ。

●ひと、ヒト、人の経営!

日本製造業が世界に向かって、何をしなければいけないか?
企業としては、それぞれが上記のような戦略を取らなければならないが、
経営方針としては、下記の5つが大切だと思われる。

1、人を大切にする経営
2、品質を大切にする経営
3、義理・人情を大切にする経営
4、5Sを大切にする経営
5、常にカイゼンが続く経営

日本民族にあった経営手法こそ、世界の手本になる経営である。
本田宗一郎、松下幸之助、井深大、先輩諸経営者が培ってきた経営手法。
これを忘れてはいけない。

世界資本主義の流れに乗っては、日本企業の優位性はもはやない。
世界企業との戦いに飲まれるのではなく、日本製造業が、本来大切にしてきた経営、
すなわち、人を大切にする経営こそが、
日本製造業が今後も世界中から信頼される要因となるものだ。

急拡大や、シェアを求めるのは、社員、お客様を大切にするがゆえに
実行することであるべきだ。

人・モノ・金の経営は、世界資本主義の中で各国で行われている経営である。
日本人は、日本人ならではの経営手法、
ひと・ヒト・人の経営こそが日本製造業復活の方策である。

2012年01月31日 18:14

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